ユーザーマニュアル


目次



概要


概要

 INOHシステムは、Webサービスを使ったクライアント・サーバ方式を採用した設計になっており、サーバ側ソフトと、それにアクセスするクライアント側ソフトに分かれます。

 このマニュアルでは、クライアント側ソフトであるINOHクライアントについて解説しています。

 INOHクライアントは、シグナル伝達系データベースシステムから、ダイアグラムデータを取り出して、編集するためのクライアントソフトです。

INOHクライアントの画面

INOHクライアントの画面

 データベースを検索してダイアグラムのデータをダウンロードしたり、手元のマシンから読み込むことができます。

 読み込んだダイアグラムデータは、グラフィカルなユーザインターフェース画面に表示して、直感的操作で簡単にデータを編集することができます。

 編集結果を手元のマシンのファイル(ローカルファイル)として保存することもできます。

主要機能

 INOHクライアントは、マウスを使ったグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)により、シグナル伝達系のダイアグラムを簡単に編集することができます。

ダイアグラム編集機能

 主なダイアグラム編集機能には、以下のものがあります。

  • ノードの作成
  • エッジの作成
  • コンパウンドノードの作成(グループ化)と解除(グループ化解除)
  • 上記オブジェクト(ノード類やエッジ)のカット&コピーとペースト、削除
  • マウスによる上記オブジェクトの移動
  • プロパティパネルによる上記オブジェクトのプロパティ編集
  • ダイアグラムの拡大縮小表示
  • ダイアグラムの縮退表示
  • ダイアグラムデータの保存と読み込み
  • タブ型マルチドキュメントインターフェースによる、複数ダイアグラムの同時編集

検索機能

 主な検索機能には、以下のものがあります。

  • キーワード検索機能
  • パスウェイ検索機能
  • INOH Ontology viwerによる検索機能
  • 外部データベース検索機能

動作環境

 Java 6(JDK 1.6.0)以降かつJavaのGUIプログラムが動く環境。

 メモリは256MB以上を推奨。

 テストは、Windows XP SP2, CentOS LinuxとMac OS X 10.5(Leopard)/10.6(Snow Leopard) + Java 6で行なっています。他のプラットフォームでの実行については、動作を確認していません。

制限事項


インストール


インストール

 INOHプロジェクトのサイト( http://www.inoh.org/)にあるINOHクライアントのダウンロードページの指示にしたがってインストールしてください。

 詳しくは、上記の指示にしたがってほしいのですが、ポイントだけ以下に示します。

 Windowsの場合は、install.exeをダブルクリックして実行してください。

 Unix系OSの場合は、install.binがあるディレクトリにcdしてから、

sh ./install.bin

を実行してください。

 Mac OS Xの場合は、install.zipをダブルクリックし、install.zipから展開されたinstallをダブルクリックして実行してください。

ディレクトリ構成

 以下では、INOHクライアントが使用するディレクトリについて説明します。

 INOHクライアントをインストールしたディレクトリを、INOH_CLIENT_HOMEとすると、INOH_CLIENT_HOME下のディレクトリ構成は次のようになります。

INOH_CLIENT_HOME/bin-sample

INOHクライアントを実行するバッチファイルやシェルスクリプトのサンプルが入っているディレクトリ。

INOH_CLIENT_HOME/doc

ドキュメントのディレクトリ。

INOH_CLIENT_HOME/lib

INOHクライアントが使用する各種ライブラリのディレクトリ。


起動と終了


起動

 INOHクライアントを起動するには、適切にインストールされていることが必要です。以下では、INOHクライアントをインストールしたディレクトリを、INOH_CLIENT_HOMEとして説明します。

 Windowsの場合、他のソフトを起動するのと同様に、StartメニューからInohClientを実行してください。あるいは、INOH_CLIENT_HOME\InohClient.exeを実行してください。INOH_CLIENT_HOMEは、通常、C:\Program Files\InohClientです。

 Unix系OSの場合は、ホームディレクトリのrunInohClientを実行してください。あるいは、INOH_CLIENT_HOME\InohClientを実行してください。INOH_CLIENT_HOMEは、通常、~/InohClientです。

 Mac OS Xの場合、InohClientのアイコンをダブルクリックしてください。

 もし、起動しない場合は、インストールをやり直してください。

 特にJava VMなしのバージョンをダウンロードした場合は、Javaが正しくインストールされているかチェックしてください。あるいは、Java VMありのバージョンをダウンロードして試してください。

終了

 INOHクライアントの終了は、FileメニューのExitで行ないます。

起動オプション

 INOHクライアントには、以下の起動オプションがあります。

注意:

 これらはインストーラでインストールした実行コマンドでは、指定できません。実行コマンドは、WindowsのInohClient.exeやUnix系OSのrunInohClientです。

 これらのオプションを指定する場合は、bin-sampleにあるバッチファイルやスクリプトファイルを書き換えてください。

 起動オプションには、以下のものがあります。

-?

簡単な使用法を表示します。

-andor <trueかfalse>

キーワード検索のAND検索かOR検索かのオプションを指定します。

trueかfalseを指定します。

-keywordオプションを指定した場合にのみ有効です。

デフォルトは、trueでAND検索です。

-attrcheck <属性チェック定義ファイルのフルパス名>

属性チェック定義ファイルをフルパス名で指定します。

例 Windowsの場合

-attrcheck c:\inoh\client\conf\attr-check-def.xml
-author <著者名>

オブジェクトのauthorフィールドのデフォルトを指定します。

-authorMailAdd <著者のメールアドレス>

オブジェクトのauthor mail addressフィールドのデフォルトを指定します。

-defobj <オブジェクト定義ファイルのフルパス名>

オブジェクト定義ファイルをフルパス名で指定します。

例 Windowsの場合

-defobj c:\inoh\client\conf\def-object.xml
-depth <検索深度>

パスウェイ関連検索の検索深度を正数で指定します。

-depth 2

デフォルトは、0 です。

-extlink <外部リンク定義ファイルのフルパス名>

外部リンク定義ファイルをフルパス名で指定します。

例 Windowsの場合

-extlink c:\inoh\client\conf\ext-link-def.xml
-help

簡単な使用法を表示します。

-id <ID>

ID検索の、IDを指定します。

-ignorecase <trueかfalse>

キーワード検索の、大文字小文字の区別オプションを指定します。

trueかfalseを指定します。

-keywordオプションを指定した場合にのみ有効です。

デフォルトは、trueで大文字小文字を無視します。

-keyword <キーワード>

キーワード検索の、キーワードを指定します。

-layouter <レイアウタの完全クラス名>

自動レイアウトを行なうレイアウタを指定するオプション。レイアウタクラスの完全クラス名を指定します。

-layouter org.inoh.layout.InohLayouter

デフォルトは、

org.inoh.layout.InohLayouter

です。

-layoutoption <レイアウタオプションハンドラの完全クラス名>

自動レイアウトのオプション設定を行なうレイアウトオプションハンドラを指定するオプション。レイアウトオプションハンドラクラスの完全クラス名を指定します。

-layoutoption org.inoh.layout.InohLayoutOptionHandler

デフォルトは

org.inoh.layout.InohLayoutOptionHandler

です。

-manbase <マニュアルファイルのベースURI>

マニュアルファイルのベースURIを指定します。

-match <一致オプション>

キーワード検索の、一致方法のオプションを指定します。

x, c, s, eのいずれかを指定します。

x は、(Exact. 厳密一致)です。
c は、(Contains. 〜を含む)です。
s は、(Starts with. 〜で始まる)です。
e は、(Ends with. 〜で終わる)です。

-keywordオプションを指定した場合にのみ有効です。

デフォルトは、c で「〜を含む」になります。

-organismList <organismリストファイルのフルパス名>

organismリストファイルをフルパス名で指定します。

例 Windowsの場合

-organismList c:\inoh\client\conf\OrganismList.txt
-protege

Protegeのプラグインとして動くことを指定します。

-server <INOHサーバのURI>

INOHサーバのURIを指定します。

-server http://localhost:8080/axis/services/InohWebService

デフォルトは、

http://www.inoh.org:8083/axis/services/InohWebService

です。

-svg <SVGディレクトリのフルパス名>

SVGファイルがあるディレクトリをフルパス名で指定します。

例 Windowsの場合

-svg c:\inoh\client\svg

bin-sampleについて


 bin-sampleディレクトリには、INOHクライアントを実行するための、バッチファイルやシェルスクリプトのサンプルが入っています。

inoh-jdk1_6.bat	Java 6(JDK1.6)用のバッチファイル
inoh-jdk1_6.sh	Java 6(JDK1.6)用のシェルスクリプト
inoh.bat	inoh-jdk1_6.batと同じもの
inoh.sh		inoh-jdk1_6.shと同じもの
mac-os-x-inoh.sh	Mac OS XのJava 6(JDK1.6)用のシェルスクリプト

 これらのサンプルを変更することにより、環境に合わせたカスタマイズができます。

サンプルの実行方法

 サンプルを実行するには、Windowsでは、コマンドプロンプト、Mac OS Xでは、ターミナル、UNIX系OSでは、コンソール画面を出してください。

 さらに、環境変数JAVA_HOME, INOH_CLIENT_HOMEを設定する必要があります。JAVA_HOMEには、Javaをインストールしたディレクトリを指定します。INOH_CLIENT_HOMEには、INOHクライアントをインストールしたディレクトリを指定します。詳しくは、管理者に相談してください。

Javaのコマンドラインオプションについて

 INOHクライアントの起動オプション以外に、Javaのコマンドラインオプションを指定して、カスタマイズすることもできます。

 Javaのコマンドラインオプションについては、
http://java.sun.com/javase/6/docs/technotes/tools/windows/java.html
java - the Java application launcher (Windows)
http://java.sun.com/javase/6/docs/technotes/tools/solaris/java.html
java - the Java application launcher (Solaris and Linux)
を参照してください。

カスタマイズ例

ヒープメモリを増やす例

 大きなダイアグラムをロードするときなど、メモリが不足する場合は、ヒープメモリを増やしてください。もちろん、十分な物理メモリが必要です。

 たとえば、最小ヒープサイズ512MB, 最大ヒープサイズ1024MBにする場合、コマンドラインオプション -Xms, -Xmx を

-Xms512m -Xmx1024m 

に変更してください。

変更前(inoh.batの一部)

%JRE_HOME%\bin\java -Xms256m -Xmx512m ...(省略)

変更後(inoh.batの一部)

%JRE_HOME%\bin\java -Xms512m -Xmx1024m ...(省略)

プロキシサーバを設定する例

 サーバに対する検索で、プロキシサーバを使用しなければならない場合、Javaの起動オプションでプロキシサーバのプロパティを設定してください。

 Javaのネットワーク関係のプロパティについては、
http://java.sun.com/javase/6/docs/technotes/guides/net/properties.html
Networking Properties
を参照してください

 httpのプロキシを設定するには、

http.proxyHost
http.proxyPort
http.nonProxyHosts

を使います。

 たとえば、プロキシホストが、foo.comで、プロキシポートが8080番の場合、 コマンドラインに

-Dhttp.proxyHost="foo.com" -Dhttp.proxyPort="8080"

を追加してください。

変更前(inoh.batの一部)

%JRE_HOME%\bin\java -Xms256m -Xmx512m ...(省略)

変更後(inoh.batの一部)

%JRE_HOME%\bin\java -Dhttp.proxyHost="foo.com" -Dhttp.proxyPort="8080" -Xms256m -Xmx512m ...(省略)

画面構成


 INOHクライアントの画面を、以下に示します。

INOHクライアントの画面構成

INOHクライアントの画面構成

 画面は大きく

の部分に分かれています。

 ツールバーは、ダイアグラム編集領域の上部にあります。ツールバーには、ダイアグラムを編集するときに使うボタンが並んでいます。

 ツールパネルは、画面の左を占める部分です。Properties, Nodes, Edges, Compound nodesのパネルがあります。

 その他のパネルは、画面の下を占める部分です。Ontology viewer links, External DB links, Errorsのパネルがあります。

 ダイアグラム編集領域は、画面の中央を占める部分です。ここには現在編集中のダイアグラムが表示され、マウスによってダイアグラムを編集することができます。

 オーバービュー領域は、画面の右上を占める部分です。ここには現在編集中のダイアグラムのオーバービューが表示されます。

 拡大ビュー領域は、画面の右下を占める部分です。ここには現在編集中のダイアグラムが拡大表示されます。

 以後の説明において、オブジェクトとはノード、コンパウンドノード、エッジのことです。


ツールバー


 ツールバーには、メニューのうち、ダイアグラムを編集するときによく使うボタンが並んでいます。

Fileツールバー

 Fileツールバーには、ファイルに関する機能が集まっています。

Fileツールバー

Fileツールバー

 各機能の説明は、Fileメニューを参照してください。

Editツールバー

 Editツールバーには、基本的編集に関する機能が集まっています。

Editツールバー

Editツールバー

 各機能の説明は、Editメニューを参照してください。

Searchツールバー

 Searchツールバーには、検索に関する機能が集まっています。

Searchツールバー

Searchツールバー

 各機能の説明は、Searchメニューを参照してください。

Objectツールバー

 Objectツールバーには、オブジェクト操作に関する機能が集まっています。

Objectツールバー

Objectツールバー

 各機能の説明は、Objectメニューを参照してください。

Viewツールバー

 Viewツールバーには、表示に関する機能が集まっています。

Viewツールバー

Viewツールバー

 各機能の説明は、Viewメニューを参照してください。

Alignツールバー

 Alignツールバーには、オブジェクトの配置を揃える機能が集まっています。

Alignツールバー

Alignツールバー

 各機能の説明は、Alignメニューを参照してください。

Layoutツールバー

 Layoutツールバーには、自動レイアウトのための機能が集まっています。

Layoutツールバー

Layoutツールバー

 各機能の説明は、Layoutメニューを参照してください。

Toolツールバー

 Toolツールバーには、各種設定のための機能が集まっています。

Toolツールバー

Toolツールバー

 各機能の説明は、Toolメニューを参照してください。

ツールバーの操作

 各ツールバーは、左端をマウスの左ボタンでドラッグする(押し続けたままマウスを動かす)ことで、フローティング状態にしたり、ドッキング状態にすることができます。これで、自分の好みにあった状態にできます。

 いろいろと操作して、画面が混乱したら、ViewメニューのPanelにある"Reset docking state"で、初期状態に戻すことができます。


ツールパネル


 Properties, Nodes, Edges, Compound nodesのパネルがあります。

Propertiesパネル

Propertiesパネル

Propertiesパネル

 Propertiesには、選択されたオブジェクトのプロパティが表示されます。何もオブジェクトが選択されていないときは、複数のオブジェクトが選択されているときは、ダイアグラムのプロパティを表示します。

 各プロパティの値が表示される部分をクリックして、値を編集することができます。

Nodesパネル

Nodesパネル

Nodesパネル

 Nodesには、各種ノードが並んでいます。ノードを作るときには、この中から作りたいものを選びます。

Edgesパネル

Edgesパネル

Edgesパネル

 Edgesには、各種エッジが並んでいます。エッジを作るときには、この中から作りたいものを選びます。

Compound nodesパネル

Compound nodesパネル

Compound nodesパネル

 Compound nodesには、各種コンパウンドノードが並んでいます。コンパウンドノードを作るときには、この中から作りたいものを選びます。

パネルの操作

 各パネルのウィンドウは、サイズを変更したり、タイトル部分をマウスの左ボタンでドラッグする(押し続けたままマウスを動かす)ことで、フローティング状態にしたり、ドッキング状態にすることができます。これで、自分の好みにあった状態にできます。

 いろいろと操作して、画面が混乱したら、ViewメニューのPanelにある"Reset docking state"で、初期状態に戻すことができます。


その他のパネル


 Ontology viewer links, External DB links, Errorsのパネルがあります。

Ontology viewer linksパネル

Ontology viewer linksパネル

Ontology viewer linksパネル

 Ontology viewer linksには、選択されたオブジェクトのプロパティのうち、INOH Ontology viwerの検索に利用できるプロパティの値が表示されます。

 "Browse"ボタンを押すと、ブラウザを起動し、選択されているプロパティ値を使って、INOH Ontology viewerの検索をします。

 "Refresh"ボタンを押すと、最新のプロパティ値を表示します。オブジェクトのプロパティを編集したときに使います。

External DB linksパネル

External DB linksパネル

External DB linksパネル

 External DB linksには、選択されたオブジェクトのプロパティのうち、外部データベースの検索に利用できるプロパティの値が表示されます。

 "Browse"ボタンを押すと、ブラウザを起動し、選択されているプロパティ値を使って、外部データベースの検索をします。

 "Refresh"ボタンを押すと、最新のプロパティ値を表示します。オブジェクトのプロパティを編集したときに使います。

Errorsパネル

Errorsパネル

Errorsパネル

 Errorsには、エラーチェックで見つかったエラーが表示されます。

 "Check"ボタンを押すと、エラーチェックを行ないます。

 "Zoom selected"をチェックすると、表示されたエラーを選択したとき、対応するオブジェクトをズームして表示します。

パネルの操作

 各パネルのウィンドウは、サイズを変更したり、タイトル部分をマウスの左ボタンでドラッグする(押し続けたままマウスを動かす)ことで、フローティング状態にしたり、ドッキング状態にすることができます。これで、自分の好みにあった状態にできます。

 いろいろと操作して、画面が混乱したら、ViewメニューのPanelにある"Reset docking state"で、初期状態に戻すことができます。


オーバービュー領域と拡大ビュー領域


 ダイアグラム編集領域の右には、オーバービュー領域と拡大ビュー領域があります。

オーバービュー領域

 オーバービュー領域は、画面の右上を占める部分です。ここには現在編集中のダイアグラムがオーバービューが表示されます。灰色の矩形をドラッグすることで、ダイアグラム編集領域に表示する範囲を変更できます。

オーバービュー領域

オーバービュー領域

拡大ビュー領域

 拡大ビュー領域は、画面の右下を占める部分です。ここには現在編集中のダイアグラムが拡大表示されます。マウスカーソル周辺のオブジェクトが表示されます。

拡大ビュー領域

拡大ビュー領域


通常表示モードと縮退表示モード


 ダイアグラムは、通常表示モードと縮退表示モードで表示できます。

通常表示モード

 通常表示モードでは、すべてのオブジェクトが表示されます。

 通常表示モードでは、すべての編集が可能です。

通常表示モード

通常表示モード

縮退表示モード

 縮退表示モードでは、いくつかの種類のノードやエッジの表示が省略されます。

 縮退表示モードでは、ほとんどの編集ができません。

縮退表示モード

縮退表示モード


ダイアグラム編集領域での操作


 ダイアグラム編集領域では、マウスによってダイアグラムを編集することができます。

ポップアップメニュー

 マウスの右ボタンをクリック(*)すると、ポップアップメニューがでます。ポップアップメニューには、そのときに利用できる機能が表示されます。各機能については、以下の説明を読んでください。

* Mac OS Xでは、Ctrlキーを押しながらクリック。

オブジェクトの選択

 オブジェクトをマウスの左ボタンでクリックすると選択できます。

複数オブジェクトの選択

矩形による一括選択

 オブジェクトのないところでマウスの左ボタンを押し、押しつづけたままマウスを動かすと矩形が表示され、左ボタンを離したとき、矩形内のオブジェクトを一度に選択できます。

マウスクリックによる追加選択

 Shiftキーを押しながらオブジェクトをマウスの左ボタンでクリックしていくと、複数のオブジェクトを追加選択できます。

新規ノード作成

 Nodesパネルから作りたいノードを選びます。

 画面上をマウスの左ボタンでクリックするとノードを作ることができます。

新規エッジ作成

 Edgesパネルから作りたいエッジを選びます。

 あるノードの上でマウスの左ボタンを押し、押しつづけたままマウスカーソルを別のノードの上に動かして左ボタンを離すと、エッジを作ることができます。

 エッジ作成中の状態をエッジモードと呼びます。エッジモードを解除するには、ESCキーを押します。

新規コンパウンドノード作成

空のコンパウンドノード作成

 Compound nodesパネルから作りたいコンパウンドノードを選びます。

 画面上をマウスの左ボタンでクリックするとコンパウンドノードを作ることができます。

子供をもった新規コンパウンドノードの作成

方法1

 先に子供にしたいノードを選ぶ方法です。

 子供にしたいオブジェクトを選択します。

 Compound nodesパネルから作りたいコンパウンドノードを選びます。

方法2

 先にコンパウンドノードを選ぶ方法です。

 Compound nodesパネルから作りたいコンパウンドノードを選びます。

 子供にしたいオブジェクトを選択します。

 マウスの右ボタンを押して、ポップアップメニューを出し、"Group selection"を選びます。

オブジェクトの移動

 オブジェクトを選択して、マウスの左ボタンを押したまま動かすとオブジェクトを移動できます。

オブジェクトのカット

 オブジェクトを選択して、以下のいずれかを実行します。

 選択されたオブジェクトが、画面から消えてクリップボードにコピーされます。クリップボードにコピーされたオブジェクトは、ペーストによって画面に貼り付けることができます。

オブジェクトのコピー

 オブジェクトを選択して、以下のいずれかを実行します。

 選択されたオブジェクトがクリップボードにコピーされます。クリップボードにコピーされたオブジェクトは、ペーストによって画面に貼り付けることができます。

テンプレートとしてペースト

 テンプレートは、新しいオブジェクトを作るときの雛形になるものです。

 テンプレートとしてペーストして、Biological属性を編集することで、サーバにアップロードしたとき、新しいオブジェクトとして登録することができます。

 オブジェクトを選択して、以下のいずれかを実行します。

 クリップボードにあるオブジェクトが、テンプレートとして画面に貼り付けられます。

エイリアスとしてペースト

 エイリアスとしてペーストは、すでにあるオブジェクトの別名オブジェクトを貼り付ける機能です。

 エイリアスとして作られたオブジェクトは、サーバでは、エイリアスの元となったオブジェクトと同じものとみなされます。

注意:

 INOHクライアントは、エイリアスとしてペーストしたオブジェクトは、Biological属性を編集しないものと想定しています。もし、編集した場合は、サーバにアップロードしたとき、新しいオブジェクトとして登録されてしまいます。

 オブジェクトを選択して、以下のいずれかを実行します。

 クリップボードにあるオブジェクトが、エイリアスとして画面に貼り付けられます。

オブジェクトの削除

 オブジェクトを選択して、以下のいずれかを実行します。

 カットと違って、クリップボードにオブジェクトはコピーされません。

コンパウンドノードに子供を追加する

方法1

 新規にコンパウンドノードを作り、子供オブジェクトを追加する方法です。

 新規コンパウンドノードの"子供をもった新規コンパウンドノードの作成"の手順で行ないます。

方法2

 既存のコンパウンドノードに新規の子供オブジェクトを追加する方法です。

 親にしたいコンパウンドノードを選び、コンパウンドノード左上のアイコンをクリックして、開いた状態にします。アイコンが "+" になっていると開いた状態、"-"になっていると閉じた状態です。

 NodesパネルやCompound nodesパネルから新規に子供として作りたいノードを選びます。

 親にしたいコンパウンドノード上で、マウスの左ボタンをクリックします。

 画面の見た目に変化がない場合、コンパウンドノードを動かしてみると、子供が連動するので、このコンパウンドノードの中に子供ノードが含まれていることがわかります。

方法3

 既存のコンパウンドノードに既存の子供オブジェクトを追加する方法です。

 親にしたいコンパウンドノードを選び、コンパウンドノード左上のアイコンをクリックして、開いた状態にします。アイコンが "+" になっていると開いた状態、"-"になっていると閉じた状態です。

 子供にしたいオブジェクトを選択します。

 Shiftキーを押したまま、選択したオブジェクトを親にするコンパウンドノードの中に移動させると、親子関係ができます。

 画面の見た目に変化がない場合、コンパウンドノードを動かしてみると、子供が連動するので、このコンパウンドノードの中に子供ノードが含まれていることがわかります。

コンパウンドノードから子供を取り出す

方法1

 選択した子供のみ、親子関係を解除する方法です。

 コンパウンドノードの中の子供オブジェクトを選択します。

 Shiftキーを押したまま、選択したオブジェクトを親のコンパウンドノードの外に移動させると、親子関係が解除できます。

 画面の見た目に変化がない場合、コンパウンドノードを動かしてみると、子供が連動しないので、子供ノードがコンパウンドノードから切り離されたことがわかります。

方法2

 コンパウンドノードにあるすべての子供の親子関係を解除する方法です。

 コンパウンドノードを選択します。

 マウスの右ボタンを押して、ポップアップメニューを出し、"Ungroup selection"を選びます。

 画面の見た目に変化がない場合、コンパウンドノードを動かしてみると、子供が連動しないので、子供ノードがコンパウンドノードから切り離されたことがわかります。

ホイールマウスのサポート

ホイールによる垂直スクロール

 ホイールを回転させると、垂直にスクロールすることができます。

ホイールによる水平スクロール

 ホイールを回転させると、水平にスクロールすることができます。

ホイールによるズーム

 Ctrlキーを押したまま、ホイールを回転させると、ズームができます。


メニューに沿った機能解説


 INOHクライアントの主要機能を、メニューによって解説します。

Fileメニュー

 Fileメニューには、ファイルをオープンしたり、ファイルに保存したりする機能が集まっています。

New

 新規にダイアグラムデータを作るために使います。

 新たなタブウィンドウができて編集可能状態になります。

Open

 ローカルファイルにある既存のダイアグラムデータを、INOHクライアントに読み込みます。

 新たなタブウィンドウができて編集可能状態になります。

 すでにオープンされているファイルの場合、そのファイルを表示しているタブウィンドウに切り替わります。

Close

 現在編集中のタブウィンドウを閉じます。

 ダイアグラムデータに変更が加えられていた場合は、保存するかどうかの問い合わせが出ます。

Save

 現在編集中のダイアグラムデータ全体を、上書き保存します。

Save as

 現在編集中のダイアグラムデータ全体を、別の名前で保存します。

Exit

 すべてのタブウィンドウを閉じて、INOHクライアントを終了します。

 ダイアグラムデータに変更が加えられていた場合は、保存するかどうかの問い合わせが出ます。

Editメニュー

 Editメニューには、編集の基本的機能が集まっています。

Undo

 直前の編集操作を取り消し、元に戻します。

Redo

 直前のUndo操作を取り消します。

Cut

 選択されたオブジェクトを切り取り、クリップボードにコピーします。切り取られたものは、あとでPaste as templateやPaste as aliasによって貼り付けることができます。

 コンパウンドノードを選択していた場合、その中身のオブジェクトもすべて切り取りの対象になります。

Copy

 選択されたオブジェクトをクリップボードにコピーします。コピーされたものは、あとでPaste as templateやPaste as aliasによって貼り付けることができます。

 コンパウンドノードを選択していた場合、その中身のオブジェクトもすべてコピーの対象になります。

Paste as template

 CutやCopyされたものを、テンプレートとして貼り付けます。

 テンプレートについては、テンプレートとしてペーストを参照してください。

Paste as alias

 CutやCopyされたものを、エイリアスとして貼り付けます。

 エイリアスについては、エイリアスとしてペーストを参照してください。

Delete

 選択されたオブジェクトを削除します。CutやCopyと違って、クリップボードにコピーされません。

Dup as template

 選択されたオブジェクトをテンプレートとして複製します。コピーしてテンプレートとして貼り付けたのと同じです。

Select all

 すべてのオブジェクトを選択します。

Searchメニュー

 Searchメニューには、検索に関する機能が集まっています。

Find

 現在、編集中のダイアグラムデータを検索します。

 Findダイアログについて説明します。

Find dialog

Find dialog

Keyword

 keywordには、検索したいキーワードを指定します。

 空白で区切って複数の単語を指定することができます。それらの単語をすべて含むものを探す検索(AND検索)を行ないます。

 キーワードを、" (ダブルクォート)でくくると空白を含むフレーズを1つの単語のように指定できます。

 たとえば、" でくくらず、protein genomeと指定すると、proteinという単語とgenomeという単語を指定したことになりますが、" でくくって、"protein genome"と指定すると、protein genomeという単語を指定したことになります。

 " (ダブルクォート)自身をキーワードに含めたい場合は、' (シングルクォート)でくくってください。

たとえば、'Find " itself' となります。

Ingore case

 チェックすると、大文字・小文字を無視します。

Select all after search

 チェックすると、見つかったオブジェクトをすべて選択します。

Use regular expression

 チェックすると、正規表現検索を行ないます。

 正規表現の詳しい説明は、
http://java.sun.com/javase/6/docs/api/java/util/regex/Pattern.html
Class Pattern
を参照してください。

Name

 チェックすると、DisplayNameを検索対象にします。

Type

 チェックすると、Typeを検索対象にします。

ID

 チェックすると、IDを検索対象にします。

Comment

 チェックすると、Commentを検索対象にします。

Biological

 チェックすると、Biologicalを検索対象にします。

Zoom selected

 チェックすると、表示されたオブジェクトを選択したとき、対応するオブジェクトをズームして表示します。

検索後の選択

 見つかったものは、ダイアログに一覧表示されます。

 一覧からSelectをチェックすることで、そのオブジェクトを選択することができます。

Keyword/ID search

 キーワードまたはIDを指定して、サーバのデータを検索します。

 キーワード/IDサーチダイアログについて説明します。

Keyword/ID search dialog

Keyword/ID search dialog

Keyword/ID

 Keyword/IDには、検索したいキーワードまたはIDを指定します。

キーワード検索

 空白で区切って複数の単語を指定することができます。それらの単語をすべて含むか(AND検索)、どれかを含むか(OR検索)の指定は、And/Or searchで指定します。

 キーワードを、" (ダブルクォート)でくくると空白を含むフレーズを1つの単語のように指定できます。

 たとえば、" でくくらず、protein genomeと指定すると、proteinという単語とgenomeという単語を指定したことになりますが、" でくくって、"protein genome"と指定すると、protein genomeという単語を指定したことになります。

 " (ダブルクォート)自身をキーワードに含めたい場合は、' (シングルクォート)でくくってください。

たとえば、'Find " itself' となります。

ID検索

 IDを1つ指定することができます。

Attribute

 Keywordは、キーワード検索をします。 

 IDは、ID検索をします。 

Match method

 Exactは、キーワードと一致するものを検索します。 

 Containsは、キーワードを含むものを検索します。 

 Starts withは、キーワードから始まるものを検索します。 

 Ends withは、キーワードで終わるものを検索します。 

Ingore case

 Yesは、大文字・小文字を無視します。

 Noは、大文字・小文字を無視しません。

And/Or search

 Andは、キーワードのすべての単語を含む検索になります。

 Orは、キーワードのどれかの単語を含む検索になります。

Similarity search

あいまい検索を行ないます。

Molecule Role Ontology検索とEvent Ontology検索があります。

Molecule Role Ontology search

 Molecule Role Ontologyを検索します。

Event Ontology search

 Event Ontologyを検索します。

Pathway retrieval

 パスウェイ検索を行ないます。

 Previous curated/inferredを検索します。

Following curated/inferred

 Following curated/inferredを検索します。

Controller/Controlled

 Controller/Controlledを検索します。

Super/Sub

 Super/Subを検索します。

Homologous

 Homologousを検索します。

MolecularVariation

 MolecularVariationを検索します。

All

 上記すべての検索を実行します。

Objectメニュー

 Objectメニューには、オブジェクトに関する機能が集まっています。

Properties

 オブジェクトのプロパティを編集するダイアログを表示します。

 このダイアログで、オブジェクトのプロパティを編集できます。

Change node type

 選択したノードのTypeを変更します。

Change edge type

 選択したエッジのTypeを変更します。

Group selection

 選択したオブジェクトを子供にもつ、コンパウンドノードを作ります。あらかじめ、Compound Nodesパネルで作りたいコンパウンドノードを選択しておいてください。

 画面の見た目に変化がない場合、コンパウンドノードを動かしてみると、子供が連動するので、このコンパウンドノードの中に子供ノードが含まれていることがわかります。

Ungroup selection

 子供オブジェクトと親コンパウンドノードとの親子関係を解除し、子供オブジェクトがコンパウンドノードから取り出せるようにします。

 画面の見た目に変化がない場合、コンパウンドノードを動かしてみると、子供が連動しないので、子供ノードがコンパウンドノードから切り離されたことがわかります。

Viewメニュー

 Viewメニューには、表示に関する機能が集まっています。

Zoom in

 ダイアグラムを拡大表示します。

Zoom out

 ダイアグラムを縮小表示します。

Zoom selected

 選択されたオブジェクトを中心にダイアグラムを拡大縮小表示します。

Fit content

 すべてのオブジェクトが画面に表示されるようにします。

View in normal mode

 ダイアグラムを通常表示ノードで表示します。

View in reduced mode

 ダイアグラムを縮退表示モードで表示します。

Goto parent graph

 "Goto inner graph"で閉じたコンパウンドノードの内部グラフを編集しているとき、親のグラフに行くのに使います。

Goto inner graph

 閉じたコンパウンドノードの内部グラフを編集するときに使います。

Panel

 Panelには、パネルの表示を切り替える機能が集まっています。

Properties panel

 Propertiesパネルの表示・非表示を切り替えます。

Nodes panel

 Nodesパネルの表示・非表示を切り替えます。

Edges panel

 Edgesパネルの表示・非表示を切り替えます。

Compound nodes panel

 Compound nodesパネルの表示・非表示を切り替えます。

Ontology viewer links panel

 Ontology viewer linksパネルの表示・非表示を切り替えます。

External DB links panel

 External DB linksパネルの表示・非表示を切り替えます。

Errors panel

 Errorsパネルの表示・非表示を切り替えます。

Reset docking state

 パネルやツールバーの状態を初期状態に戻します。

Alignメニュー

 Alignメニューには、オブジェクトの配置を揃える機能が集まっています。

 以下の説明では、ノードという言葉にはコンパウンドノードの意味も含みます。

Left

 複数のオブジェクトを左揃えします。

 一番左にあるノードの左端に、選択されているノードの左端を合わせます。

Horizontal center

 複数のオブジェクトを水平中央揃えします。

 一番左にあるノードの左端と、一番右にあるノードの右端の水平中間点に、選択されているノードの水平中央を合わせます。

Right

 複数のオブジェクトを右揃えします。

 一番右にあるノードの右端に、選択されているノードの右端を合わせます。

Top

 複数のオブジェクトを上揃えします。

 一番上にあるノードの上端に、選択されているノードの上端を合わせます。

Vertical center

 複数のオブジェクトを垂直中央揃えします。

 一番上にあるノードの上端と、一番下にあるノードの下端の垂直中間点に、選択されているノードの垂直中央を合わせます。

Bottom

 複数のオブジェクトを下揃えします。

 一番下にあるノードの下端に、選択されているノードの下端を合わせます。

Bring to front

 選択されたオブジェクトを、前面にもってきます。

 これにより、他のオブジェクトに隠されていたオブジェクトが手前に表示され、みえるようになります。

Send to back

 選択されたオブジェクトを、奥にもってきます。

 これにより、他のオブジェクトの手前に表示されていたオブジェクトが奥に表示され、隠れるようになります。

Layoutメニュー

Auto layout

 自動レイアウトを行ないます。

Layout option

 自動レイアウトのオプションを設定します。

Toolメニュー

Settings

 各種設定を行ないます。

 各種設定ダイアログは、GeneralとSimilarity seachの2つのタブがあります。

Generalタブ

 Generalタブについて説明します。

General settings tab

General settings tab

Server URI

 INOHサーバのURIを指定します。

Pathway Depth

 パスウェイ検索の深さを指定します。

Author

 ダイアグラムの著者名を指定します。

Author's Mail Address

 著者のメールアドレスを指定します。

Font

 デフォルトフォントを指定します。

Organism

 Organism属性のデフォルト値を指定します。

Similarity search settingsタブ

 Similarity searchタブについて説明します。

Similarity search settings tab

Similarity search settings tab

Base URI of Server

 あいまい検索サーバのbase URIを指定します。

Submit Path

 あいまい検索サーバのsubmit pathを指定します。

Mail address

 メールアドレスを指定します。

No execution

 チェックすると、実行せず、設定のみ行ないます。

Check error

 エラーチェックを行ないます。

Helpメニュー

Show japanese user's manual

 日本語ユーザー操作マニュアルを表示します。

Show english user's manual

 英語ユーザー操作マニュアルを表示します。

About

 バージョン情報など、INOHクライアントに関する情報を表示します。